ベルギー最大の銀行・保険会社のKBC銀行にとって、多言語コミュニケーションの費用対効果は、コスト削減や生産性向上だけで測れるものではありません。同行は、さまざまなリスクの軽減、成長機会の開拓、チームが業務に集中できる環境など、幅広い要素に基づき包括的に効果を評価しています。
KBC銀行は、それぞれニーズの異なる、ヨーロッパの主要5市場で事業を展開
毎月大量の翻訳が銀行の各部署で発生
自動化を組み込むことで、社内翻訳チームの生産性が20%向上
高品質の翻訳を提供できるようになり、リスクの軽減と法令遵守を確保
ベルギー最大の銀行・保険会社であるKBC銀行は、欧州の5つの中核市場で事業を展開しています。41,000人の従業員を擁し、1,300万以上の顧客にサービスを提供するKBC銀行にとって、多言語コミュニケーションは同行のDNAを成す重要な要素です。
KBC銀 行の言語センターはスムーズなオペレーションを支える鍵となっています。専門の言語スペシャリストとプロジェクトマネージャーで構成される同センターは、55もの言語ペアで年間1,200万単語を翻訳し、社内外の円滑なコミュニケーションの実現に取り組んでいます。
しかし、これだけの規模で多言語コミュニケーションを管理すると、幾つもの大きな課題に直面します。どうしたら、このような大規模オペレーションの効率性を一定水準以上で維持し、高いセキュリティーを確保しながら目に見える効果を達成できるでしょうか。KBC銀行にとって、多言語コミュニケーションの費用対効果は経費削減だけを意味する訳ではありません。それは、さまざまなリスクの軽減や成長機会の開拓、チームが集中できる環境などを含みます。
「EU規制を遵守し新規顧客層を開拓する上で、翻訳は重要な役割を果たしています」
KBC銀行 言語センター部長 クリスチャン・フィリプセン氏
費用対効果は投資収益率(ROI)などの定量的なデータで測られがちですが、KBC銀行にとって多言語コミュニケーションは経費削減だけでは捉えられないものでした。同行の言語センター部長クリスチャン・フィリプセン氏は「ミスコミュニケーションを未然に防げたことの価値を数字だけで測れるでしょうか」と問います。
KBC銀行では、翻訳に以下の3領域の目標を課しています。
規制の厳しい市場でミスや誤解を防ぐ。
社内翻訳者を支援し作業時間の20%削減とコンテンツの品質改善を実現する。
EU規制に対応し、ヨーロッパ中のチームや顧客が情報にアクセスしやすい環境を整える。
KBC銀行はDeepLをワークフローに統合することで翻訳の課題を解決し、プロセスの改善に成功しました。しかし、従来の費用対効果指標では、DeepL導入による成果は部分的にしか捉えられません。DeepLがもたらした何よりの成果は、行員と顧客にとって日々の業務や手続きが非常に楽になったことでした。
DeepLをワークフローに連携させたことで、KBC銀行は翻訳における手作業を削減し社内翻訳者の生産性を20%向上させることができました。翻訳者はコンテンツの品質改善や今後の方向性の検討など、より重要なタスクに時間をかけられるようになりました。
多言語コンテンツへのアクセスを行内システム全体で向上させた結果、KBC銀行は翻訳量を200万単語分削減し時間の節約につなげることができました。
現在、KBC銀行はDeepLを活用し、セキュリティーを確保しながら毎月最大7,000万単語を翻訳しています。多言語コンテンツが増えたことで、チームは言語の壁を越えて効果的に共同作業を進め、全員の足並みを揃えられるようになりました。
KBC銀行にとって、費用対効果の測定とは導入効果の包括的な評価にあります。それは数字だけに留まらず、ビジネスの成長やリスクの軽減、組織全体の連携強化などを評価することを意味します。
チームの相互理解が深まれば仕事の効率が上がるだけでなく誤解によるミスも減り、顧客ともより強固な信頼関係を築けます。これらの効果は企業全体で生産性向上や事業拡大、イノベーションの促進といった成果につながります。
「真の付加価値を定量化することはできません」
KBC銀行 クリスチャン・フィリプセン氏
多言語コミュニケーションに対するKBC銀行の先進的なアプローチは、費用対効果の捉え方とAIツールの価値測定について、新たな考え方を提示しています。一般的な指標よりも実際の効果を優先することで、同行はチームの成功を確実に支援できる戦略に辿り着きました。DeepLを信頼できるパートナーとして選んだKBC銀行は、今後も複雑な多言語コミュニケーションの課題に取り組む環境を整えられました。
あらゆる言語のニーズに対応した包括的なソリューションにより、お客様のグローバルなコミュニケーションを強化できます。